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国境なきユマニチュードの活動紹介

About the activities of Humanitude Sans Frontières

お知らせ

“優しさを伝えるケア技法”を広める「ユマニチュード地域リーダー」Vol.3 高森美香さん

ユマニチュード地域リーダー高森美香さん

今回は、福岡市でケアマネジャーとして独立し、認知症本人ミーティングの立ち上げにご尽力されている、地域リーダー第1期生の高森さんに活動への想いを伺いました。

 


ユマニチュード®との出会いは「自然な流れ」の中にあった


認知症の祖母を含む家族4人の介護が必要となり、仕事と介護を両立するためにケアマネジャーとして独立された高森さん。ユマニチュードとの出会いは、福岡市認知症ライフサポートワーカー養成研修がきっかけでした。

 

認知症の人のよき伴走者として地域で活躍する人材を育てるこの研修を受けられた後、「ユマニチュードの地域リーダー養成もある」と声をかけられたことから、自然な流れで受講されました。「介護のためになることは何でも取り入れよう」という気持ちで参加されたそうです。

 

ただ、ユマニチュードについて学び始めた当初はこう感じていたと話します。

 

(高森さん)

「最初は『こんな当たり前のことを』『医療従事者ならみんなやっていること』と思っていたんです。でも、よくよく周りを見てみると、性格的にできなかったり、苦手だったりする人がいる。家族にはそんなことはできないという人もいる。そういう人でも実践できる『技術』として学ぶことに、意味があるんだなと気がつきました。」

 


「当たり前」に、誰にでもできる技術へ


その気づきが、高森さんの活動の軸になっています。優しさや丁寧なケアは「心がけ」だけでは伝わらないこともある。
目線の合わせ方、触れ方、声のかけ方といったユマニチュードの技術を、きちんと「学べるもの」として広めることに意味があると高森さんは考えています。


そして、その想いは、ある施設でのエピソードによってさらに強くなったそうです。

 

施設に入所されている方の初回面談にケアマネジャーとして同行した際、施設のスタッフから「もう寝たきりで何の話も聞けませんよ」と言われましたが、高森さんはそれでも本人の意思確認をしたいと思い、手を握りながら目を見て話しかけると、「一緒に帰りますか?」という言葉に目を見開いて反応されたのです

 

(高森さん)

「この時、ユマニチュードが必要だってすごく思ったんですよね。このままだとご本人の気持ちとは関係なくそのままにされちゃうなっていうことがあったので。施設の方とか、介護者の方でも、当たり前だと思っているコミュニケーションができていないことがあるんだなと感じました。」

 

また、専門職だけでなく、すべての人に知ってほしい——その想いが、高森さんを地域リーダーとして動かしています。

 

 


人形を手に、伝わる言葉を探しながら


高森さんの講座には、いつも人形が登場します。ユマニチュードの技術を人形を使いながら丁寧に伝えるスタイルは高森さんならではです。

 

一方で、伝えることの難しさもあると、語ります。

 

 (高森さん)

「どうやったらうまく伝わるかはいつも考えています。聞いてもらいたいというよりは、どうやったら自分のことのように捉えてもらえるか。そのためにできるだけ具体的な事例を交えながら伝えるようにしています。」

 

そして、その工夫が実を結んだと実感する瞬間があると、高森さんは穏やかに話します。


(高森さん)

「小学校の講座では子どもたちが『今度おばあちゃんにやってみる!』と言ってくれたり、公民館ではご主人を介護されている方が『今日お話聞けてよかったです』と声をかけてくださることもあります。『もっと早く聞いていればよかった』という言葉をいただくこともありますね。」

 

 


認知症の人が立ち寄れる場所を近くにたくさん作りたい


多くの活動の中で、高森さんが現在力を入れているのが、認知症と診断された本人が集まり自由に語り合う「認知症本人ミーティング」の場を地域に増やす活動です。

 

認知症だから話せないという思い込みにより本人ミーティングへの参加をとまどうご家族や専門職の方に、本人ミーティングの重要性について知っていただきたいと高森さんは言います。

 

(高森さん)

「本人ミーティングは、単なる話し合いの場ではなく、認知症の方が自分の力を取り戻し、仲間とつながり、尊厳を感じるための大切な時間であり場所です。そのことを多くの方に知っていただきたいと思います。同じ悩みを持つ人と出会うことで、普段は言えない気持ちが自然とこぼれ出て、さりげなく伝えられることがあります。

例えば、失語症の方が一生懸命話そうとするのを周囲の当事者は温かみをもって聞いてくれるので、自宅で話をするより言葉が増え、時には家族やケアマネジャーでは引き出せないような言葉が出てきます。参加された方は、話を聞いてもらえたことで、『楽しかった』と自分の存在意義を取り戻して帰られます。

 

さらに、本人ミーティングでは、付き添いのご家族同士で話をする場もあります。

 

(高森さん)

「近くにいる家族が一番大変だということを私自身が身をもって知っているので、ご家族に自分の時間を作ってもらったりご自身の話をしてもらったりということを大切にしています。」

 

家族だからこそ生じてしまう“感情”や“誤解”。

それらを認知症の方と家族の間に立ち、丁寧に解きほぐす役割を、高森さんは担っています。

 

ケアマネージャーとして、ユマニチュード地域リーダーとして、そして家族を見守り続けてきたひとりの女性として――たくさんの活動をされてきた高森さんの講座をぜひ受けてみませんか。

 

 

 

 

 

 

 

 

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