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国境なきユマニチュードの活動紹介

About the activities of Humanitude Sans Frontières

お知らせ

~笑いあり涙ありの介護経験とともに~“優しさを伝えるケア技法”を広める「ユマニチュード地域リーダー」 Vol.2 松永佳子さん

Vol.1に続き、今回は福岡市でユマニチュード®の普及に尽力されている地域リーダー第2期生の松永さんに、ご自身の介護経験からユマニチュードとの出会い、そして地域での活動にかける熱い想いを伺いました。

 

頭ではわかっていても難しい「家族の介護」

松永さんは、専門学校の介護福祉科で教員をされていたご経験をもつ一方、37歳頃からアルツハイマー型認知症のお義母様の介護をされていました。仕事の合間を縫ってお義母様の住む家まで片道2時間、電車で往復する日々。アルツハイマー型認知症の初期段階は日常会話もできるため、他のご家族がなかなか認められず、周囲の協力を得られずに一人で動くしかなく、仕事と両立するために転職したり、大変な時期を過ごされました。

(松永さん)
「当時、授業で認知症について学生に教えていたので、『こういう対応をしたらいい』と頭ではわかっていました。でも、言葉では優しく言っても、心の中では『うるさいなぁ』『もう勘弁して』という感情があることに自己嫌悪に陥り、帰りの電車で泣いていました。介護で辛かったあの頃、ユマニチュードの考え方を理解できていたら違っていたかもしれません。」


松永さんがユマニチュードを知ったのは、教員時代の教科書に載っていたことがきっかけでした。何行か書かれた文章を見ても何のことかわからなかったため、ユマニチュードの講座を受講されたそうです。

 

ユマニチュードを「技術」として伝えること

既に介護福祉の教員としてキャリアを積まれてきた中で、ユマニチュードに出会い、何を感じられたかお聞きしました。

(松永さん)
「ユマニチュードは人と関わる上でベースとなるもので、特別なことではありませんが、伝えるのは難しい。それを体系化し形にしてくれたものがユマニチュードだと思っています。私は専門職として、ちゃんと伝わる伝え方があるなら、技術として身につけ、その技術を伝えていくことが大切なのではと考えています。」

「ユマニチュード地域リーダーとして活動を開始した頃、ある施設で『何故わざわざこんなことを?当たり前のことじゃない?』という意見がありました。しかし今では、『専門職としてやっぱり必要だよね』と見方が変わってきたのを実感しています。」

介護は相手との関係がベースになる仕事です。だからこそ、その優しさが相手に伝わるように、目線や表情など含めたコミュニケーションの技術として身につけることが、専門職にとっても重要だと感じているそうです。

 

活動する上で大切にしていること

小中学校や企業、公民館などで講座を実施する時に大切にされていることを聞きました。

(松永さん)
「すべてをわかってもらう必要はなく、まずはユマニチュードを知ってもらえたらと思っています。そして何か一個でもいいから、『あ、そっか』と感じてもらえるような気付きを与えられるといいですね。」

「小学生などは講座での反応もよくて、家に帰ってご家族の方に話してもらえると嬉しいです。小中学校のお子さんをきっかけに、働き世代の保護者の方々、これから介護に直面する年代の方々にも、ユマニチュードを知ってもらえればと思っています。

 

誰もが優しさを伝えられるまちに

最後に、松永さんはユマニチュード講座を『みんな』に受けて欲しいと語ります。

(松永さん)
「認知症の方に優しさを伝える技術としてユマニチュード講座を実施していますが、『あなたのことを大切に思っています』と相手にわかるように伝えるわけですから、街中のみんなに知ってほしいですね。みんなが知って、実践し、意識しなくても体にしみ込んでいったら、誰もが優しさを伝えられるいいまちになると思います。」

 

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