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国境なきユマニチュードの活動紹介

About the activities of Humanitude Sans Frontières

署名団体 インタビュー

【後編】インタビュー:アルベイロ・ヴァルガスと守護天使財団の核心―ユマニチュードとの出会い・活動の原動力に迫る

アルベイロ氏(左)と娘のポーリーン氏(右)

アルベイロ氏(左)と娘のポーリーン氏(右)

前編に引き続き、今回は創設者アルベイロ氏へのインタビューをお届けします。40年以上にわたる活動の原動力や、彼が「ソウルメイト」と語るユマニチュードとの出会い、そしてその先に見据える未来について伺いました。財団の核心にある「愛の哲学」に迫ります。

Q1. 現在の活動内容と組織の運営について教えてください。

現在、4つの施設を運営し、約500名の高齢者に食事や健康管理、レクリエーションなどのケアを行っています。そして、何よりも「尊厳」と「敬意」を重視した支援を提供しています。

施設へは毎日約50人の子どもや若者がやって来て、高齢者と触れ合い、経験や知恵を分かち合っています。これは、何にも代えがたい貴重な経験です。私は幼い頃から、同年代の子どもを巻き込み、高齢者を支える活動を行っていました。その活動が今の世代間交流モデルの原点となっています。

また、4つの運営施設以外にも、地域全体(県内)にある50の高齢者施設を支援しており、間接的に4,000名以上の方々を支えています。これらのネットワークを通じて、コロンビアにおける高齢者の権利を守り、「生きる喜び」と「愛」を決して失うことのないように努めています。

財団では、高齢者の健康管理から事務、運営、アクティビティを担当する教師など約120名の従業員が働いています。また、大学と提携しており、学生たちがインターンシップとして施設に来て業務を手伝ってくれます。これは卒業するための必須課程となっています。大学生にとって、高齢者介護に関する知識や経験を高める上で貴重な機会となり、若者たちが「老い」に対して恐れを持たず、価値あるものだと理解するのに役立ちます。

アルベイロ・ヴァルガス氏の幼少期の写真

アルベイロ氏の幼少期の写真(写真中央:アルベイロ氏)
出典:公式HP Fundación Albeiro Vargas & Ángeles Custodios

Q2. 40年もの間、活動を続けてこられた原動力は何ですか?

当時の幼い私は、お金も情報も何もないところから活動を始めましたが、少しずついろんなことが実現していくのを目の当たりにし、世界は変えられるのだと実感できたことが原動力となっています。笑顔で誇りをもって、生きる喜びにあふれた高齢者の方々の姿を見るたびに、歩み続けるための最高のエネルギー補給(充電)となっています。だから、疲れを感じることはありません。自分がしていることに幸せを感じ、自分の仕事を愛しているので、やる気もエネルギーも喜びも満ち溢れています。

Q3. ユマニチュードに出会った時、どのような気持ちでしたか?

まるでソウルメイトのようだと感じました。じっと見つめ合うこと、笑顔を交わし、触れ合いを通じて、「お年寄りを一人の人間として大切にする」とはどういうことなのか、本当の意味で理解できたような気持ちになりました。

ジネストさんにお会いした際、「これこそが愛とユマニチュードを体現する最高の証しだ」と言ってくださいました。そして、何よりも素晴らしいのは、それはお金のかかるものではなく、誰もが心の中に持っているものだということです。ただ、それをどう表現すればいいのか知らないだけなのです。ほんの少し心を開き、広い視野を持ってみるだけで、驚くほど大きな変化が生まれます。それこそがユマニチュードの持つ本当の偉大さなのです。

そして今、私たちは、ユマニチュードを単なる技術ではなく、「尊厳」と「敬意」を重んじる「人生の哲学」として語り合っています。この素晴らしいユマニチュードが、福岡市にも広がっていることを心から嬉しく思っています。

Q4. 2019年にユマニチュードを導入されてからの変化を教えてください。

視線、笑顔、触れ合い。シンプルなことですが、高齢者の様子が瞬時に変化するのを日々目の当たりにしています。私は40年前からこのような実践を無意識に行ってきましたが、当時はそれが体系化されているとは知りませんでした。

ユマニチュードを導入することで、その価値を改めて確信することができました。ユマニチュードは、高齢者ケアに限らず、私たち全員の生き方を豊かにしてくれる哲学です。人生が変わるような変化をもたらします。

現在、高齢者のうつ病や孤独が深刻な問題となっていますが、その最良の特効薬こそがユマニチュードなのです。

財団の活動の様子

財団の活動の様子
出典:公式HP Fundación Albeiro Vargas & Ángeles Custodios

Q5. 財団の最大の特徴である世代間交流モデルを運用する上での課題はありますか。

大きな課題や問題は感じていません。遊びや歌などを通じて、お互いの歴史や経験を共有し、学び合うことができる素晴らしい取組みです。例えば、子どもたちと高齢者が一緒にカラオケ大会を楽しんだり、高齢者が子どもたちに料理を教えることもあります。また、「誰が一番おじいちゃんおばあちゃんにハグをしたか」を競うゲームなども行っています。

Q6. 富裕層向け施設で生活困窮者や脆弱な方々を支える仕組みについて教えてください。

富裕層向け有料施設の収益で支援活動を支える、「内部補助」の仕組みです。生活困窮者や脆弱な高齢者だけでなく、経済力はあっても孤独に暮らす高齢者もまた、愛や心のつながりを求めていると気づきました。そこで「カサ・マジョール(Casa Mayor)」という高齢者向けの有料施設を設立し、その収益を生活困窮者や脆弱な方々へのケアに充てることで、自立したシステムを構築しました。

このモデルがあるからこそ、多様な活動を通じて「私がいなくなっても活動が続く仕組み」を維持できています。人は亡くなっても、制度と愛は残り続けなければならないからです。

財団の活動を支える関係者の皆さん

財団の活動を支える関係者の皆さん
出典:公式HP Fundación Albeiro Vargas & Ángeles Custodios

財団の活動運営費は、約60%が自治体からの支援や国内外の個人・企業からの寄付で成り立っており、残りの約40%は、カサ・マジョールの収益など様々な活動によって賄われています。例えば、今月には4000食のランチを準備し、歌やパフォーマンスなどのレクリエーションを催すイベントを行う予定です。近隣住民の皆様にチケットを販売し、その収益を財団の運営費に充てる試みも、数ある活動の一つです。

財団の近くには農場があり、施設の高齢者の方々はこの農場でトマトやレタスなどの野菜を育て、鳥や豚を飼育しています。こうした取組みを通じて彼らが財団の維持に貢献することにより、私たちは慈善という概念を超えた活動へと踏み出しています。このような共同生活は、高齢者が「人生がもう終わった」と感じないようにするためのアプローチです。彼らは、自分が生きている実感を持ち、まだ多くのことができること、分かち合える経験があること、そして社会に大きく貢献し続けられることを実感できるのです。

アルベイロ氏ZOOM取材の様子

【編集後記】

今回のインタビューには、娘のポーリーンさんも同席してくださいました。エンジニアである彼女は、物心ついた頃から財団の高齢者たちと共に過ごし、現在は財団の運営や広報など多岐にわたる分野でアルベイロ氏を支えています。

「父の情熱あふれる行動力を、冷静に形にしていくことが私の役割なんです」と、笑顔で語る彼女。その言葉には、深いリスペクトと揺るぎない信頼が宿っているように感じました。アルベイロ氏の果敢な挑戦を、娘がしっかりと受け止め、支えていく。インタビュー中、画面越しに拝見したお二人の笑顔から、まるで大きな愛に包まれているような温かな空気感が伝わってきました。信頼で結ばれたお二人の姿が、この素晴らしい活動を未来へと繋ぐ、確かな原動力であることを改めて確信したひとときでした。

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